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旅人類 03

 

 

 

酒場詩人・吉田類さんがじっくり巡る、大人の旅ガイド

 

 

 

 

札幌のあるた出版から旅人類03が3月25日に発売。

http://www.alter.co.jp/blog/info/205.html

 

 

新幹線で繫がり、フェリーも新造船が導入されて新しくなりつつある青函。

 

今号のテーマは「函館・青森から始まる。津軽海峡を越えて結ばれる縁(たび)へ」

 

 

【太宰治「津軽」を旅して】のエッセイには太宰治疎開の家も取り上げていただきました。

 

1年に1冊だけの刊行とあって、丁寧な取材記事やエッセイ、写真

 

どれも多くのガイドブックには無い、深く充実した内容。

 

 

 

 

類さん。

 

春の青森・函館、うずうず・・・旅したくなりました。

 

 

 

 

 

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十年の疲労

 

もう限界なのだと、前にも書いた。

 

メロスはその夜、一睡もせず十里の路を急ぎに急いで、村へ到着したのは、

る日の午前、陽は既に高く昇って、村人たちは野に出て仕事をはじめていた。

メロスの十六の妹も、きょうは兄の代りに羊群の番をしていた。よろめいて歩

いて来る兄の、疲労困憊の姿を見つけて驚いた。

 

 

 

 

 

 

 

風態なんかは、どうでもいい。メロスは、いまは、ほとんど全裸体であった。

呼吸も出来ず、二度、三度、口から血が噴き出た。

 

 

 

 

太宰治疎開の家の公開を始めて十年間、お客様の前で開いてみせた本が

もう駄目だ。

 

テープや糊で補修してここまで耐えたが、

開くたびに、ぱらと足元に表紙の欠片が落ち、ページの折り目が裂け、

きのうついに

一歩も走れなくなった。

メロス…限界。

 

十年は友の待つ刑場の門であったと思えばあっぱれ

王にも褒められよう。

 

特別なセレモニーはないが、太宰屋の本棚に殿堂入り。

二代目にたすきをわたしてゆっくりお休みくだされ。

 

満身創痍の英雄にもいつか会いに来てください。

 

 

 

 

 

 

 

 

津軽半島通信

津軽半島観光アテンダントさんがつくる季刊誌津「軽半島通信」の第4号が届きました。

 

 

 

前号には津鉄のマスコット「つてっちー」が紹介されていた

 

「津軽に来たら、この人に会いたい」のコーナーに

 

今回は太宰治疎開の家の僕を取り上げてくださいました!

 

 

先日取材にいらしたアテンダントさんが

 

お話をしながら、もらさずノートに書く書く!

 

メモ取りの速さに感心しました。

 

 

4号は春の観光情報。津軽地域のいろんな観光施設で配布されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

休館日のおしらせ

明日、3月15日(水)は休館日です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穏かに日が暮れた

太宰治疎開の家の屋根の上に見える五所川原市金木総合支所(旧金木町役場)が

もうじき解体されるそうだ。

およそ半世紀。昭和44年の建設からこの町の中心にそびえて

50年代の商店街の活況も衰退も10年前の市町合併も、

そして東日本大震災の日もここにあった。

風情もないコンクリートそのままの、親しみを覚えるような種類の建物ではないけど

歴史が一つ閉じられていくようなさみしさはある。

 

 

 

 

経年の設備の老朽化ということも効率性ということも

あの地震以降は耐震性ということも問題になったのかもしれない。

どんなに頑強な原発施設にだって修繕では耐えられなくなる寿命があるんだ。

 

 

 

 

6年前の地震の時は、こんなに雪は残ってなかった。

ぼんやりした曇り空だった。

 

 

 

 

いろんなことを忘れてはいけないけれど、

積み重なる毎日の出来事で、記憶の輪郭はぼやけてきているな。

 

今日は静かなこの川だって十数年前、改修後の豪雨で氾濫したことがある。

景色や建物が変わっても隠されても

無かったことになってはいけない記憶。

それはいつかまたあると覚えておいた方がいい。

 

 

 

 

 

 

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