スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

母を見舞った日

『もういちど太宰を読もう』
終戦直後に23作品が書かれた『太宰治疎開の家』旧津島家新座敷です。




「今日は特別な日です。」

...

ガイドを聞いてくださっている台湾からみえたお客様に言うと、
「誕生日ですか?」とにこにこしながらおっしゃいました。

いいえ違います。長く生家から義絶されていた太宰が、昭和17年に帰郷して、
この離れで病床の母を見舞ったと『故郷』に書いた、今日が10月28日、同じ日。
初めてこの土地を訪れる妻と、林檎が赤く実り稲刈りの終わった田畑を車窓に
見ながら、複雑な心境で生家の裏口をくぐった日です。
 

入館者が数組だけの静かな一日でしたが、お客様には特別な気持ちでガイドしました。



 

『旅人たちが見た「奥津軽」』中泊町博物館秋の企画展


『もういちど太宰を読もう』
終戦直後に23作品が書かれた『太宰治疎開の家』旧津島家新座敷です。
県内の紅葉が進んで行楽バスがたくさん来ています。
稲刈りがほぼ終わった田圃に、稲わらを丸めたドラムがゴロゴロしている風景が秋らしい。
隣町の中泊町博物館で、今日から新しい秋の企画展が始まりました。

【旅人たちが見た「奥津軽」吉田松陰から太宰治まで】
■平成27年10月17日〜12月20日
■開館時間 9:00〜16:45(最終入館は16:15まで)
■休 館 日 毎週月曜日・祝日・毎月第4木曜日
■入 館 料 一般 200円
  高校生・学生 100円
  小学生・中学生 50円

中泊町博物館中泊町総合文化センター「パルナス」内)
青森県中泊町中里字紅葉坂210
TEL.0173-69-1111/FAX.0173-69-1115

司馬遼太郎・五木寛之・山口瞳・アラン・ブース・・・古今の偉人、文士の目に、
旅した本州北辺の地はどのように映ったのか。たいへん楽しみな展示です。
http://www2.town.nakadomari.aomori.jp/hakubutsu…/…/2015f.jpg



 

列車の両側は林檎畑

『もういちど太宰を読もう』
終戦直後に23作品が書かれた『太宰治疎開の家』旧津島家新座敷です。


〜太宰治『故郷』〜
川部という駅でまた五所川原行の汽車に乗りかえて、もうその辺から列車の両側は林檎畑。
今年は林檎も豊作のようである。
手を伸ばせば取れるほど真近かなところに林檎は赤く光っていた。 ...
                                                                                      

津軽を走る鉄道の車窓風景を太宰さんはいくつかの作品で描写した。『故郷』は秋、10月の
お話だから、まさに今と同じ季節。
また、昭和21年、津軽に疎開中の太宰から河盛好蔵宛の書簡には、「この汽車は私の父が
奥羽本線から五所川原、金木そして津軽半島の北端までひくことを計画したけれど・・・」
というように書いてあったので、津軽鉄道の敷設も父・源右衛門氏の功績なのだろうと、僕
はそのまま思い込んでいた。
川部から五所川原までのかつての陸奥鉄道(現・JR五能線同区間)は大正7年開業だから間違
いない。しかし、史誌(『津軽鉄道六十年史』)によると津軽鉄道の設立は昭和3年。開業は
昭和5年であるから、津軽地方の有力者と共に実際に尽力したのは兄・津島文治氏の時代であ
った。鉄道建設の苦難、開業当初の世界恐慌による銀行閉鎖、東北大凶作、戦時昭和19年の
五所川原の大火と同冬の豪雪の惨状の記録などを読めば、波乱曲折、関係者と沿線住民の粉骨
砕身必死の努力によって存続されてきたのが分かる。
 

車窓からのたわわな林檎畑、稲刈りが進む田圃。太宰さんが書いた秋の風景を小さい汽車が
走る姿。小寒いけれどよい季節である。
 

秋も継続「太宰と奥津軽号」日帰りバスツアー

『もういちど太宰を読もう』
終戦直後に23作品が書かれた『太宰治疎開の家』旧津島家新座敷です。



9月まで大好評で運行した超お得な日帰りバスツアー『太宰と奥津軽号』が
秋季(10月、11月)も継続することが発表されました。
参加募集出発日はポスターをズームしてご覧ください。
浅虫温泉、青森駅、新青森駅から出発して津軽半島の名所・絶景を巡り、
最後に当館・太宰治疎開の家にも立ち寄ります。

お申し込みや問い合わせなど、詳しくは弘南バスHP→http://www.konanbus.com/2799.html

 
1