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女生徒

前回、2月15日の日記から更新せずにいる間に、ずんずんと気候は動き、

今日は気持ちよく晴れて、3月下旬の暖かさでした。

これからもうドカ雪はない、とは誰にもわかりませんが、

この冬、雪下ろしのために屋根に上ったのは1回だけ。

金木町に限っての様子では

昨年に比べて半分以下の積雪ではなかったかと思っています。


これは今日の斜陽館裏からの画像


新座敷の屋根の雪が大方落ちたので、久しぶりに上って眺めました。

正面の迫力ある立派さとは少し趣のちがう、家々に囲まれた大屋根の姿を

ここからは見ることができます。


新座敷はとても静かです。

もうお客様は来ないかなと思った夕方、若い女性が二人来館しました。

斜陽館をじっくり見た後で感じる、小さな新座敷の雰囲気は

どんなふうに味わってもらえたでしょうか。







幸福は一夜おくれて来る。ぼんやり、そんな言葉を思い出す。幸福を待って待って、とうとう堪え切れずに家を飛び出してしまって、そのあくる日に、素晴らしい幸福の知らせが、捨てた家を訪れたが、もうおそかった。幸福は一夜おくれて来る。幸福は、――   太宰治『女生徒』



雪の女王

あ〜〜〜!東からの強風と吹雪です^^;



一週間くらい前から関東から西日本まで雪が積もって、というニュースが続いている間、


津軽は逆に穏やかな天候で、どんどん雪解けが進むというめずらしい事になりました。


しかし、この吹雪。今日は再び氷の世界に戻るようです。


東北新幹線など交通が乱れて、さて週末はお客様が来てくださるのかどうか・・・


しもやけの手と足でジンジンながら、春を待ちわびる気持ちですが、


3月に公開が始まるディズニー映画『アナと雪の女王』のLet It Go〜ありのままで〜


アレックス・ボイエと天使たちのアメイジング!なカバー♪ 


本家を凌ぐほどに、こちらは氷の世界も超絶品です↓


Let It Go - Frozen - Alex Boyé



元気出ますグー




はたまたLet It Go ‐ThePianoGuys

バレンタインデー

世に名言とか名文というものがある。


大人といふものは侘しいものだ。愛し合つてゐても、用心して、他人行儀を守らなければならぬ。なぜ、用心深くしなければならぬのだらう。その答は、なんでもない。見事に裏切られて、赤恥をかいた事が多すぎたからである。人は、あてにならない、といふ発見は、青年の大人に移行する第一課である。大人とは、裏切られた青年の姿である。
                                      太宰治『津軽』より



新座敷の洋室には、こんな一節が留めてある。

壁の前で、うむなるほどと感心したり、

思い当たる自身の記憶と重ねたりしてもかまわないけれど、

「愛しあつて」といっても、この場面は恋愛についての思索ではない。

旧友を旅の伴に誘いたかった、しかし遠慮して口には出さない、という場面。


一節だけをつまみだして愛でるのも楽しみ方だが、


兄はこう言った。「小説を、くだらないとは思わぬ。おれには、ただ少しまだるっこいだけである。たった一行の真実を言いたいばかりに百頁の雰囲気をこしらえている」
私は言い憎そうに、考え考えしながら答えた。「ほんとうに、言葉は短いほどよい。それだけで、信じさせることができるならば」

                                    太宰治『葉』より



部分だけをコネっていると「解釈」を違える怖れは往々にして。

一行の真実はやはり前後を含めた全体の文脈の中にある。



今日は、青森市から四度目の来館というお客様がみえました。

寅さんのようなトランクを持って旅する若者が来ました。

富嶽百景の山梨からの好いご夫婦も。



それぞれの文脈の中で、今日の旅はよい一節になったでしょうか。


元気で行かう。絶望するな。では、失敬。


この旅の後にはぜひ『津軽』をもういちど開いてみてください、とお薦め。










ポストの気持ち


何か、相手にしてほしいことがあって、ふと表現したしぐさや言葉。

なのに、当然と期待していた反応がまったく破られたとき、

私は自分のあさましさに気付かされ、居たたまれなく身もだえする。

自意識はおのれを責め、恥じる。

期待が確かであったほど、なおさらに狼狽赤面。


寒風に凍りつくポストである。




 また、こんな話も聞いた。
 どんなに永いこと散歩しても、それでも物たりなかったという。ひとけなき夜の道。女は、息もたえだえの思いで、幾度となく胴をくねらせた。けれども、大学生は、レインコオトのポケットに両手をつっこんだまま、さっさと歩いた。女は、その大学生の怒った肩に、おのれの丸いやわらかな肩をこすりつけるようにしながら男の後を追った。
 大学生は、頭がよかった。女の発情を察知していた。歩きながら囁いた。
「ね、この道をまっすぐに歩いていって、三つ目のポストのところでキスしよう」
 女は、からだを固くした。
 一つ。女は、死にそうになった。
 二つ。息ができなくなった。
 三つ。大学生は、やはりどんどん歩いて行った。女は、そのあとを追って、死ぬよりほかはないわ、と呟いて、わが身が雑巾のように思われたそうである。
 女は、私の友人の画家が使っていたモデル女である。花の衣服をするっと脱いだら、おまもり袋が首にぷらんとさがっていたっけ、とその友人の画家が苦笑していた。

                              太宰治『あさましきもの』抄







津軽まつり〜雪と光のページェント〜



芦野公園で2月3日から点灯されていた幻想的な雪上イルミネーションですが、

明日9日が最終日。

その会場で、14時から20時まで様々なお楽しみイベントがあります。


開催月日 平成26年2月9日(日)

☆真冬の食卓
・スープ・バー、ホットドリンク・バー

☆キャンドル作り体験

☆ゆるきゃら握手会

☆雪上競技
・タイヤリレー
・雪上太宰歌留多大会

☆ステージイベント
・金木健康ダンスサークル、竹の音(お囃子)
・フラッシュモブダンス

☆「冬の花火」打ち上げ

☆ミニコンサート


詳しくはかなぎ元気倶楽部HPで。






喫茶店「駅舎」の営業時間も19:30まで延長しています。(ラストオーダー19:00)

駅舎の窓から線路樹木越しに見えるイルミネーションが幻想的です。

冬の芦野公園を楽しみましょう。




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