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1月31日

寒〜いさむいムニョムニョ

昨日が雨が降って暖かかったせいか、今日の寒さは別格でした。

「−2℃」の数値は驚くような気温ではないはずなのに、

肺が凍るような空気の冷たいことと言ったら、

湿気を含んだ西風の体感気温は尋常じゃなかった。

いや、これはもっとずっと低いだろう、と、温度計を外に出して確かめたほど。

こんな寒い日にも、津鉄ストーブ列車が力強く旅人を乗せて走っています。

いつもだと月の最終日は入館者が少ない傾向がありますが、

1月31日、今日はおときゅうの旅人が何組も来てくださいました。



さて、太宰さんの誕生日は毎年「桜桃忌」「朗読の日」の話題で知られるところですが、

1月31日は妻・美知子さんの誕生日であります。

つしま みちこ。1912年(明治45年)1月31日〜1997年(平成9年)2月1日。旧姓石原。


ガイドでは、「太宰の死後、美知子さんはどうしました?」という質問をよく受けます。

そんな方に、当館のショップでおすすめしているのは、

作家太宰を支えた美知子夫人が書いた『回想の太宰治』

とても興味深い一冊で、太宰さんの実像を知りたい向きにも役立つので、人気があります。


太宰さんを「金の卵を抱いている男」とは美知子さんの言。



馬をさへ眺むる雪の朝

今年の年賀状に

太宰治『碧眼托鉢』の副題から

――馬をさへ眺むる雪の朝かな(うまをさへながむるゆきのあしたかな)――

という芭蕉の句を添えました。



普段見慣れているただの馬でさえも、

昨日とは一変した真っ白な雪の朝には、歩む姿に格別の風情を感じて眺めてしまう。



普段気にも留めなかったことが、ある場面の中で急に存在がむっくと浮かび上がる、

そのような動揺、覚醒、戦慄、感動・・・を、

人が天恵の才を用いて衆の目前に現すのが芸術であり作家であり表現者なのだなあ。



しかし、「雪の朝」には何の意図するところもないのであります。

宇宙大自然は芸術家の目前に、ただ恵みを置くだけであります。



或るひとりの男の精進について

「私は真実のみを、血まなこで、追いかけました。私は、いま真実に追いつきました。私は追い越しました。そうして、私はまだ走っています。真実は、いま、私の背後を走っているようです。笑い話にもなりません。」






「風のように」吉永直子個展

吉永直子さんの個展のご案内です。

当館で販売している津軽鉄道の旅の絵葉書を描かれた方です。

東京近在の方は、吉永さんのやさしい色彩の絵を見にどうぞおでかけください。



「風のように」吉永直子個展
2014年1月27日(月)〜2月1日(土)
11:00-18:30
(最終日は16:30まで)
檜画廊(ひのきがろう)
千代田区神田神保町1-17(すずらん通り)
tel 03-3291-9364



実と虚の皮膜の間




元日にモスバーガーでコーヒー飲みながら、

めくっていた某誌にあった小山薫堂さんのコラムの画像です。


芸というものは、
実と虚の皮膜の間にあるものナリ。



何かを創作して人に伝える時に、

事実をそのままなぞっても面白くはならないし、

まったくの作り話もどうも魅力的じゃない。

物書きはその間にあるものを表現しなくちゃ芸にならないのだ。

というような、

小山さんが番組づくりで行き詰まったときに思い出す、近松門左衛門の言葉だそうです。




人の心を打つような魅力的な創作を生み出し続けることは

なかなか大変なことですから、

創る人には敬意を以って作品を味わいます。

でも、これはないでしょうという創作物も世にはたくさん溢れています。



そんな正月、たいへん賛美したい日本映画がありました。

『わが母の記』  です。

2012年の映画ですが、遅ればせながら観て、これはwwwという感動でした。

見事な『間』の作品でした。





帽子

強い寒波で、ここ数日は日中も氷点下です。

しかし、雪かきに追われて風雪をやり過ごすこの頃から寒さに慣れて、

冬のはじめに4℃、5℃でゾクゾク寒がっていたなまっちょろい体が

いつしか耐寒性がついて平気になってくるところ。


とは言え、

南の地方から来る旅の人達にとって、この吹雪は強烈な寒さのはずです。

さすがにみなさん防寒の装備は抜かり無い・・・と思いきや、

千葉県からみえた男性(20代だろうか)が

こちらが心配になるほどスッキリしたいでたちで見学に。

細身のコートの襟も中に着ているシャツの襟元も開いていて、白い首があらわです。



寒かったでしょう?この季節の津軽は、帽子をどこかで手に入れたほうがいいですよ。

「いやあ、寒さは平気です。僕のいるところでもたいして寒くもないのに帽子やマフラーで着飾っている人ばかりですがね、僕はああいうのは、しゃらくさいんですよ。」


出た 「しゃらくさい」 てれちゃう


時代物のドラマや落語でしか聞いたことがない江戸ことばを使う若い人に、

はじめてお目にかかりました。


べらんめえ!とか、すっとこどっこい!とか、

下町言葉は西関東方言に含まれて、千葉もその方言域なはずです。

聡敏そうな話し方に粋なやせ我慢を感じて、ちょっとカッコイイなと思いました。


きっとこの旅の間、彼は帽子もマフラーも買わないでしょう。

そして風邪なんてひかないと思います。



明日も日中−5℃の予報。