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もしもし

ストーブ列車で金木に降り立った一団客のうち、9割ほどが駅前からバスに乗って斜陽館に向かう観光ツアーの方。


残りの1割が徒歩で斜陽館に向かう個人旅行の方。


そのうち、最初の分かれ道で右に向かうのはうちに立ち寄る可能性が低い方。


左の道を選んだ方のうち、道の左側を歩いて「ああ、これだね」と言って立ち止まらない方は、ここには来ない方。


疎開の家の看板に歩み寄って説明を読む方のうち、入ろうかな、どうしようかな、やっぱり斜陽館だけでいいか。と、受付の看板を撮影して遠ざかる5分の4の方。


つまり、たぶん残る5分の1くらいが新座敷を見学してくださる方。


そんな感じです。



ここはなんだろう・・・と思いながらもなんだか見過ごせなくて、「まあ、入ってみようか」と決めた奇特なお客様。

きっと大宰さんに呼ばれたんですねラッキー・・・と思っています。

ご縁。

今日もそんな有り難いご縁のお客様が大宰さんの書斎に座って、

「ほんとに来てよかった」
「おもしろ過ぎた。またいつか来ます」


そんな感想を頂いて見送るのは嬉しいです。




太宰治疎開の家入館者の感想

私の好きな津軽鉄道

もし、津軽鉄道の車窓のから津軽平野を望めないとしたら
どんなにか旅の魅力は味気ないものになってしまうだろう。

自由に動き回れる車はもちろん便利ですが、
車の旅では持ち帰れない思い出になる風景。

太宰治の「津軽」を辿る旅の中で、昔から津軽鉄道は切り離せない存在です。


なんといってもうちは日々、津軽鉄道さんの恩恵を受けています。
列車の中で疎開の家のことを初めて知って訪ねてくださるお客様の割合が大きい。
まさに、旅人と大宰さんとの架け橋になってもらっています。




ずーっとこの先も津軽平野の風景のシンボルとして走り続けてほしい。


現在、そんな津軽鉄道を応援している方々が全国のあちこちにいて、

その中の一人、以前から度々津軽を訪れている吉永直子さんの絵のポストカードを
太宰治疎開の家で置かせていただけることに。


ミニギャラリーコーナーを作りました。


金木駅付近からの岩木山や、終点津軽中里駅でたたずむ列車。
沿線の芦野公園の散策、雪降る斜陽館…

季節の風や温度まで伝わってくる優しいタッチの水彩画です。

津軽鉄道さんでは以前から発売している吉永さんのポストカードですが、
このたびはお願いして別なチョイスで提供していただきました。

一枚100円で6景(バラ売り)。
でも、6枚セットで購入の方は専用封筒入りを考えています。


気に入った津軽鉄道沿線の景色を見つけてください。

ふきのとう

いつのまに降ったのか、今朝はサラリと積雪。
除雪車が来る程のことはない、が、ちゃんと来るんですね。
こんもり盛られた路肩の雪を余裕の片手で融雪溝に押しこむ。

屋根下の雪山を崩そうと裏庭に回ると、
おっと見るけっこう大きくなったふきのとうがボコボコと出ていました。
おお、いい香りだ〜パクッ春は近し!


今日は法政大学人間環境学部の学生達が研修に来ました。
パネルを掲げて太宰さんのお話を始めさせていただくと、

おお!

みなさんすごいなと思ったのは、僕にぐっと寄って話を聞くんですね

(あとで考えたら、僕じゃなくパネルの地図を見ようと寄ったんだわ)
姿勢が積極的です。素直な目に囲まれてうれしくなりました。


団体さん(どちらかというと男性が多い場合か)の見学では時どき極端に話しづらい時があります。
みんなが遠巻きに見ていて、言葉を投げても反応が白〜い・・・


スミマセン。キエタホウガイイデスカ? 

なんてことがたまにたらーっ



叩けば響く時、心地良い場になるんですね。
みなさんが帰った後も館内に春のような余韻がずっと残りました。
ありがとう。


法政大のみなさん、明日もあさってもたくさんのよい学びがありますようにグッド 



太宰治疎開の家津島家新座敷

つながる

新座敷のガイドでは、疎開中の大宰さんに弟子入りした青年の話をすることがあります。


先日の記事でも彼、小野才八郎さんの著作「太宰治再読」を紹介したところですが、

日曜にご案内したご婦人が「小野さんって北区の・・・?」とおっしゃったので


そう・・・90歳になるんですよ。ご存知ですか? と聞くと、 


「同じ職場にいたことがあるの。昭和40何年頃・・・ご健在なのね」



東京から大宰さんの部屋を見に来て、大宰さんの弟子に再会てれちゃう


「今も同じ区に住んでいらっしゃるとは…帰ったら連絡取りたい。」




つがるでつながるご縁でありましたラッキー




インチキとイカサマ

相撲だったり政治家だったり、目につく「インチキ」という言葉。


   
とにかくね、生きているのだから
インチキをやっているのに違いないのさ。
             太宰治「人間失格」より




2月になって数日、とても静かな新座敷です。
気になっていた雪片付けができていいのですが、それでも斜陽館に行き帰りの旅行の方々がザワザワと素通りするのをみると、「もったいないなあ」と見送っています。



午後5時20分。閉店後の暗い受付のドアが開いて

「今からでもいいでしょうか?斜陽館を見てたらおそくなってしまって…汽車の時間までだいぶあるし。」というお客様がみえました。

「あ、どうぞ。いいですよ。」

いろいろ矢継ぎ早に津島家について質問をされるのに答えながら、館内の電灯を点け直してご案内しようとすると、


「あ、ここ有料だよ。500円だって、どうする?」
「ああそう。じゃあ、せっかくですがここだけで。僕ら特別太宰ファンじゃないので。




(え、見学するつもりでこんなにお話してたんじゃなかったの?)
「そういう方も見ていただくと意外と楽しめると思いますよ。」

つい、そう言ったところが



「あら、ずいぶん強引ですね。」




なんだかインチキ客引きみたいに言われてしまったなたらーっ・・・


「いえいえ無理にとは・・・機会があったらまたいつかどうぞ。」




 
インチキに似た言葉にイカサマがあります。
元々の意味「いかにも左様だ」が→「本当の様に見える」→「偽物」と、使われ方が変化したそうですが、
津軽では本来の「なるほど、そのとおりだ!」という時にイカサマと言います。
発音は「イガサマ!」(ガは学校のガ)。


インチキではない「イガサマ」と見てもらうには
未だ無名な新座敷[:ふぅ〜ん:]




過去の入館者の感想