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桜はじめました

疎開の家の前を行き過ぎてnext裏に回ってからまた来てback
入口を横目に見ながら、来た道を斜陽館へと戻って行く。

毎日そんな方を見ています。

ウィンドウにはそんな旅人に向けて
太宰さんが控えめに呼び止めるポスターを貼っていますが、
あまり読んでくれる人もいないみたい。


夕方にお客様がみえました。

「一度帰りかけてから、
 太宰さんの呼びかけが気になって入館しました。
 見学してほんとうに良かったです!」 

とは、見学の終りにお客様から知らされた話。


うれしいラッキー



なかなか暖かくならなくて、
咲こうか咲くまいかと迷っていた疎開の家の桜が

閉館後、ひっそりとたった一輪だけ開いていました。

ようやく明日からは続いて咲き始めそうです。




サクヨウニ、サクヨウニ。






さて誰でしょう?

開催中の太宰治の四字熟語色紙展

色紙をご提供いただいた藤元徳造さんの祖父が
斜陽館の建築に参加した方だということは
前回の日記に書きました。
津島家物語でつながったご縁であります。



色紙展のお話をいただく前に徳造さんから

「文治さんも太宰も住んだ新座敷の建築にも、
 出入り大工だったジイ様が
 関わっているんではないかと思っている。
 天井裏の柱に証拠があるはずなんだが・・・」

と、言われていたのに
それがどこにあるのか探せないでいましたところ、

今日、夕方に天井裏への入口を発見チョキ



様々な本に

総ケヤキの洋間や寄木の廊下。
数奇屋造の離れは当時、東京から大工を呼んで建築された


とだけ書いてある。


これまで調べて取り上げた研究者がいなかったとすれば、
それほど新座敷は重要ではなかったんでしょう。

なんせ「離れ」です。


でも、86年前の金木の歴史が気になります。
藤元さんのような、大工の子孫の方が
今もこの地域にたくさんいるんですから。




釘を2本抜いて
よっこらせっと、腹ばいで侵入汗
太い梁の上を渡る。


あ゛あ゛あ゛ホコリが・・・ゲホゲホ




おおっ!なんか書いてある!

見るお宝見つけました。


太宰治の四字熟語色紙展

太宰治の四字熟語色紙展へようこそ 

   太宰治が残した たくさんの作品

  綴られた独特な表現

  緩急を生み出す語るようなリズム

  風土に生き続ける

  語りべの血脈から湧き出した

  一滴の稀有な「ことばつかい」

  物語はどんなことばで語られたのか

  散りばめた石を拾い上げて

  眺めてみるのもおもしろい




太宰治の四字熟語色紙展が始まりました。
展示中の色紙は五所川原市の元教員、藤元徳造さん(号「翠風」)によるものです。
 藤元さんの祖父は明治四〇年にはヤマゲン大邸宅(現斜陽館)建築に携わり、以降もヤマゲン(太宰の生家)出入りの大工として津島家と関わり続けていたとのこと。当館内に展示されている、六〇数年前のヤマゲン新座敷の精巧なスケッチも、藤元さんのお父上が描き残したもので、終戦前後の太宰がここで暮らした様子をうかがい知る上で大変重要な資料です。
 金木を訪れるみなさん。 ここには作家太宰治とあなたが出会う、もう一つの太宰物語があります。 せっかく生家斜陽館をご覧になる方が、新座敷を知らずにお帰りになるのはどうにももったいないなあ、と思うのです。 太宰さんに代わり、お節介ながら、少々強くご見学をお勧めしたいなあと思ってこれを書いています。

もういちど太宰を読もう

太宰作品の入口はたくさんあります。ここ新座敷で、人間失格や斜陽とは趣きが違う太宰像を知り、新たに興味深く作品に触れていただけることを願っての四字熟語色紙展です。 
一〇一歳の誕生日までの開催。どうぞお楽しみくだざい。



会場:太宰治疎開の家津島家新座敷(入口ロビー)
会期:4月20日〜6月20日まで 
入場無料
(新座敷の見学は有料) 


なるほど龍馬伝

日曜の夜は龍馬伝につかまるてれちゃう

初回の頃は大丈夫ですか〜福山さん?と、
やや冷めて見てたはずが
「脱藩じゃき!」のころにはがぜん面白くなり、


勝麟太郎が金八先生とかぶったあたり、ココはツボでしたイヒヒ
「おもしれ〜拍手」と声がでるくらいに。


金八先生は坂本龍馬について本を書いてます。


攘夷に狂う武市半平太は思想の人。
思想とは答えです。答えから世界と人間を見る方法です。
答えに合わせて世界を見るので
有用、無用で人さえも割り切ります。

一方、龍馬は思想に酔えない体質。
答えではなく「問い」で世界を見る「志士」。
世の中には足し算、引き算、掛け算、割り算があることを
知っているので
問いから答えを見つけ出せるタイプです。


というようなことを書いてたと思います。

なるほどなるほど。

事を成すのにどちらのタイプがいい?
場合・局面によってどちらもアリですが、
前者は酔っているので思想に引きずられて
三半規管が狂っても気づいてないかもってことでしょうか。



考えてみると、僕たちそんなことの事故だらけです。




いや〜
金八先生の勝麟太郎いいなあラッキー

十六魂

十六魂という言葉を僕はしらない



 私たちは山の温泉場であてのない祝言をした。母はしじゅうくつくつと笑っていた。宿の女中の髪のかたちが奇妙であるから笑うのだと母は弁明した。嬉しかったのであろう。無学の母は、私たちを炉ばたに呼びよせ、教訓した。お前は十六魂だから、と言いかけて、自信を失ったのであろう、もっと無学の花嫁の顔を覗き、のう、そうでせんか、と同意を求めた。母の言葉は、あたっていたのに。

                                         太宰治 「葉」より



津軽で使われた言い回しで

やたらに気が多い人や 考えがころころ変わる人を指して

「じゅうろぐたまし」と言うそうだ。 「ぐ」の発音はgoodの「ぐ」


母が修治の祝言で訓したというこの短文の中に

一言に表せないそれぞれの背景が凝縮されて切ないです。




こんなふうに、読み流していて辞書を引くこともしなかった

「知らない言葉」が

小説の中にはたくさん埋め込まれています。




『太宰治の四字熟語辞典』という本がありますが、

来週から

太宰さんが作品中に使った四字熟語を
いろいろな書体で表した色紙を
太宰治疎開の家の入り口に展示します。

こんなところから

作品を読み返して味わい直すのはいかがでしょうか。



期間:4月20日から6月20日まで 
入場無料(新座敷の見学は有料)