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ドアノブの記憶


先日、見学された方からお手紙と写真をいただいた↑

「太宰だけではなく、津島家の人々は、さまざまな場面、心情でこの扉の前に立ち、
ノブを握ったのだなあ」
と、お手紙に書かれていた。

確かに、
疎開中の太宰さんも、毎日の生活の中でこれを握っていたんだ。
旅人もこれを握ったとき、太宰さんの面影を浮かべるのかもしれない。


「作家太宰治の体温を ここに来てはじめて感じた気がした」
という別の女性もいた。

そんなふうに、残された物を通して人を想うのも、
旅の出会いの楽しみだなあ。



新座敷で会いましょう

あめがきて、 肌寒い日でした。

入館者は少なく、午後もさびしい新座敷。
せっかく看板の前まで来ても 「見学はけっこうです」 と、回れ右する方が続きました。

[:ふぅ〜ん:]あら〜

3時過ぎ、女性が来てご見学。
ガイドをしていると  またひとり、
お話を続けるとまたひとり・・・と、
一人旅の若い女性が三人 十畳間に座りました。

僕がガイドを終えて席を外すと
初対面だった三人が楽しそうにお話をはじめて  しばし。
雨の音がする新座敷に、 これはちょっとない 好い絵でした。


太宰さんに呼ばれたかな


静かな雨の日にもイイコトはあるもんです。 秋元さん。

太宰治と旅する津軽

新潮社とんぼの本から『太宰治と旅する津軽』が刊行されます。


太宰治/著 小松健一/著 新潮社/編
発売日 2009/09/25

名作『津軽』を道標に、その日、その時、太宰の目に映った光景を追憶する。

「ね、なぜ旅に出るの?」「苦しいからさ」……太宰が最も元気だった頃に書かれた紀行小説『津軽』のテキストをガイドに、故郷を旅した作家の足跡を追い、その悲喜こもごもの場面を追体験しながら、津軽半島を旅する。五度に及んだ自殺・心中の現場の心象風景もあわせて、文学紀行の名手・小松健一の写真でたどる。



散華〜さんげ〜

見学にいらした方から訊かれました

「無事、任地に着きました。」と友人からの手紙を受け取る作品はなんでしたっけ?



 御元気ですか。
 遠い空から御伺いします。
 無事、任地に着きました。
 大いなる文学のために、
 死んで下さい。
 自分も死にます、
 この戦争のために。



これは散華という作品でした

散華=玉砕


文学を
命がけで ぎりぎりのところでやっている
なんていう感覚を


僕は物知り顔で語れない

十三湖 ありがとう

太宰さんは、バスで中里から小泊まで行く途中の十三湖を見て 
『津軽』のなかで、こう書いています。

「人に捨てられた孤独の水たまり」

「流れる雲も飛ぶ鳥の影も、この湖の面には写らぬというような感じだ」


でも、今日の十三湖の景色は こんなにのどか。


湖面のはるかに 岩木山が座り、
対する岸には、釣りのおじいちゃんとスーパーカブ。
やわらかな陽光に雲も水も光ってます。


風に吹かれて、
こころのノイズがすっと消えるような 幸せな景色。



夕食は十三湖シジミのスープパスタであります。 ジュルッ汗