たすけて、おとうさん

本を読むのが遅い。

いくつかの本を持ち歩いたり、家の数か所に置いてあったり、

今なら読めると思ったタイミングで、読みたいものは違うので、

並行して数冊を何ページかずつ読んでいると、結末までの道のりは長く、

再開する度に、思い出しのために重複部分を読んだり、

しばらく積ん読の下になったものは途中で興味を失ってしまう本も少なくない。

だから余程急いで読む必要がある場合を除けば、

一気に一冊を読了することは稀かもしれない。

 

こんな僕の癖には短編集はありがたい。

風呂で一篇読んでしまうこともできなくはないから。

 

 

 

 

先日、作家の大岡玲さんが太宰治疎開の家にみえた時、

昨年読んだ「たすけて、おとうさん」を棚から引っ張り出して

できればサインをくださいとお願いしたら、

最初のページにていねいに書いてくださった。

きれいな青いカバーのこの短編集は良かった。

語りのラインに感心してしまう魔法のことばつかい。

時に風呂が長くなり、のぼせて困った。

 

ピノッキオや星の王子さまやグスコーブドリの伝記・・・

名作をベースに現代の別な物語が童話風に語られるのだが、

挟まれた名文から皮肉や深い悲しみや疑問が立ち上がって来て

何度もぞわっとくる。

 

あれから一篇ずつ、また読み返している。

 

 

「たすけて、おとうさん」大岡玲著 平凡社 http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2015092000013.html

 

 

 

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