休館日のおしらせ

 

 

ことしの正月から山梨県、甲府市のまちはずれに小さい家を借り、

少しずつ貧しい仕事をすすめてもう、はや半年すぎてしまった。

六月にはいると、盆地特有の猛烈の暑熱が、じりじりやって来て、

北国育ちの私は、その仮借(かしゃく)なき、地の底から湧きかえる

ような熱気には、仰天した。机の前にだまって坐っていると、急に、

しんと世界が暗くなって、たしかに眩暈(めまい)の徴候である。

暑熱のために気が遠くなるなどは、私にとって生れてはじめての経

験であった。       

                                               太宰治「美少女」より

 

 

 

 

桜が過ぎて、もぞもぞしていたら、もう7月とは。

 

もぞもぞしていたのは変調して低調な体調のせいである。

 

5月末から魔女の一撃なる腰痛と帯状疱疹に続けて見舞われ、くじけた。

 

虚弱さが表出する周期なのかもしれない。

 

 

気力薄弱気味のところで

 

きのうと一昨日のひどい蒸し暑さに「ぐったりですね」と言ったら

 

関東地方からのお客様に「これは暑いうちに入らない」と笑われた。

 

 

本格的な夏が来る前に立て直さなきゃ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

太宰治生誕日朗読会2018

 

座敷での朗読会においでいただきありがとうございました。

 

おかげさまで10回。こうして続けてこられました。

 

 

お昼には27℃くらいあった気温も16時には少し下がり

 

ゆるゆると開演。

 

 

 

 

 

 

 

太宰さんがつらい時代に書かれた作品と

 

美知子さんと結婚して穏かな時期に書かれた作品と

 

 

 

原きよさんの朗読で、新座敷が太宰の言葉で満たされました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

断崖の錯覚は、読み終えて原さんも

 

「ズーンと重かったね」と言ってましたが

 

名作と言われる作品ではないものの中に

 

作家の人生の諸事情が見えて

 

はじめてこの作品を聴いた見学者の方が

 

「あるある・・・」とおっしゃっていました。

 

 みなさんいろんな感想を抱かれたはずです。

 

 

 

 

ここにかつて作家が暮らし創作をしたこと。

 

物語は繫がり、つながり、現在までその温度を感じる。

 

 

 親密感という言葉で語る人もいます。

 

太宰は私とどこかでつながっている

 

と感じさせてくれる稀有な作家。

 

 

 

生誕日に寄せて彼を思い、新たな興味が芽生える

 

そんな会であったらいいな。

 

 

 

 

 

 

今日からは普段通りの公開に戻っていますが

 

太宰さんの静かな日常も、ここにはあったのです。

 

まだの太宰読者の方、いつかぜひ、太宰さんの書斎においでください。

 

 

 

 

 

The Uses of Literature in Modern Japan

 

 

今日、1冊の本が届いた。

 

 

マサチューセッツ大学の研究者の女性が見学にみえたのは2014年の春。

 

今から4年前だ。

 

文学者ゆかりの建物が現代日本でどのように活用されているのか取材中で、

 

当館はなにか、ほかに例を見ないユニークな公開の仕方である

 

という感想をいただいて、その後、E-mailでインタビューをやり取りしたが、

 

 

 

届いたのは、文学の出版文化史についての研究プロジェクトをまとめたその本であった。

 

 

 

青い付箋が貼られたページを開いたら、

 

あ・・・

 

 

 


 

 

 

 

太宰さんの書斎にいる僕の姿。

 

こんな風にして書いてたんでしょうね、と座ってみたところ。

 

 

英文をたどたど読むと、僕の太宰治語りについて紹介がされていた。

 

恥ずかしいが、とても嬉しい。

 

 

この研究書がアメリカの大学でどういう読まれ方をするのか、

 

これを読んで、もしもかの国の方が訪ねていらしても

 

ああ申し訳ない、英語でのガイドは(;^_^A・・・いやいやいや